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H21筆記試験の分析◆聞盜渋い寮賁舅席検

今日は、鋼構造の専門論文の出題を見てみようと思います。

●平成21年度 鋼構造の専門論文の出題
I 次の18問題のうち、「鋼構造」を選択する者はAグループ(I-1〜I-5)から1問題とBグループ(I-6〜I-10)から1問題を選んで合計2問題、「コンクリート」を選択する者はCグループ(I-11〜I-14)から1問題とDグループ(I-15〜I-18)から1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

(Aグループ)
I-1 高性能鋼と称される鋼材を3つ挙げ、汎用的に使用されている鋼材と比較して、その特徴と利用事例を述べよ。また、そのうちの1つの鋼材について実務で利用する際の留意すべき事項、将来の展望について具体的に述べよ。
I-2 新しい形式の構造物の性能を照査する方法は、一般に、解析を主にするものと実験を主にするものに大別される。これらの2つの照査方法を概説せよ。また、鋼構造物における、これら2つの照査方法の課題と技術的解決策を述べよ。
I-3 風により発生する構造物の振動現象を2つ挙げ、それぞれの発生メカニズムと振動現象が構造物に与える影響について述べよ。また、2つの振動現象に対して、振動を抑制する方策(耐風安定化対策)、耐風設計あるいは耐風安定性の向上に関して今後開発が望まれる技術について述べよ。
I-4 鋼構造物の耐震設計におけるじん性(粘り強さ)確保の意義を述べよ。また、鋼構造物のじん性に影響する設計上のポイントを2つ挙げ、それぞれについて、じん性を確保するための課題と技術的解決策を述べよ。
I-5 高次不静定構造物の一般的な構造特性について説明せよ。また、高次不静定の鋼構造物を設計する場合において、設計品質を確保するための課題を2つ挙げ、それぞれについて技術的解決策を述べよ。

(Bグループ)
I-6 工場溶接あるいは現場溶接で起こりうる品質不良の状態を2つ挙げ、発生する原因、不良状態が鋼構造物にもたらす影響、処置方法及び予防方法を述べよ。また、溶接品質をより確実あるいは効率的に確保するために、今後開発が望まれる技術についてあなたの考えを述べよ。
I-7 鋼構造物の製作又は施工の省力化につながる工法を2つ挙げ、概説せよ。また、それぞれの課題と技術的解決策を述べよ。
I-8 耐候性鋼材を使用した既設構造物におけるさびの状態を評価する代表的な方法を挙げ、概説せよ。また、さびの状態が良好でないと評価された場合の対処法、留意点を述べよ。
I-9 鋼構造物に重大な損傷が発生した場合の対処と復旧における留意点について述べよ。また、復旧の効率化を実現するための課題を2つ挙げ、技術的解決策を述べよ。
I-10 鋼桁の補強工法を2つ挙げ、その工法の概要、補強効果及び留意事項を概説せよ。また、既設橋の実態を踏まえた補強設計のあり方についてあなたの意見を述べよ。

●分析
まず、問題数ですが、平成20年度試験では、Aグループ、Bグループそれぞれ4問に減りましたが、平成19年度以前と同じ各5問に戻りました。
Aグループでは、計画や設計に関する問題が、Bグループでは施工やメンテナンスに関する問題が多く出題されるという傾向には変化はありません。また、問われかたも前年度と同じで、前半部分では「○○について具体例を挙げて概説せよ」と問い、後半部分では「課題と解決策を述べよ」と問う形式となっています。
Aグループの出題から見ていきます。
I-1(高性能鋼)平成17年にもほぼ同じ問題が出ています。鋼橋の設計に携わっている技術者なら、通常の設計業務の中でも耐候性鋼、LP鋼板、降伏点一定鋼などの高性能鋼を使っているので、準備していなくてもかなり書ける問題だったと思います。
I-2(性能照査の方法)性能照査型設計法に関する問題は、2年続けて出題されていますが、今回の問題は少し違って、解析による方法と実験による方法について課題と解決策を問われています。新しい構造形式を使っていくためには、解析では予測できない問題もチェックしなければならないので、通常実験による方法が採られます。そういうことを念頭においた問題だと感じました。
I-3(耐風設計)とても鋼構造らしいテーマですが、一般橋ではほとんど問題になることがないため、これまでほとんど出題されることのなかった問題です。この問題が出題された理由も実は新しい構造形式に関係があるのではないかと思いました。新しい構造形式の多くは、スリムな構造で振動しやすくなります。そのため、耐風安定性が問題になることも出てくるでしょう。そうしたことを念頭においた問題だと感じました。
I-4(じん性確保)一昨年までほぼ毎年出題されていた耐震に関する問題が昨年は出題されなかったので、今回は予想通りの出題ですね。鋼構造物でじん性を活用するものといえば、まず浮かぶのは鋼製橋脚です。それから、アーチ構造もそうでしょうか。じん性確保という問われかたをすると、書きやすそうなのは、やはり鋼製橋脚の角割れ防止や幅厚比制御といった技術に関することですね。
I-5(高次不静定構造物)私が設計したことのある高次不静定構造物というと多径間連続桁ですが、2径間連続桁でも5径間連続桁でも同じ骨組み解析を使うので、あまり不静定次数を意識したことはなかったですね。私には答えにくい問題です。
ここまでがAグループの出題です。
鋼構造らしいテーマが並んでいますね。ただ、例年よりも少し専門性が強いというか、耐風設計と高次不静定構造物は予想外でした。来年は、スタンダードなテーマ(疲労、接合、座屈など)が戻ってくるのではないでしょうか。
これまで通りですが、このAグループはコンサルタントの技術者に答えやすい問題が多く、メーカーの技術者に厳しい問題が多そうですね。

次に、Bグループの出題を見ていきます。
I-6(溶接の品質不良)すごく専門的な問題ですね。溶接の品質に関する出題は平成18年にありましたが、意外にもあまり出題されていませんね。工場製作あるいは現場架設に携わっている技術者でないとなかなか書けない問題だと思います。
I-7(施工の省力化)2〜3年毎に出題されているBグループの頻出テーマですね。条件設定もほとんどなく、皆さん答えやすかったのではないかと思います。
I-8(耐候性鋼の状態評価)これも専門的な問題です。耐候性鋼材はこれまでもよく出題されてきたテーマですが、今回はさびの評価法や状態が悪かった場合の対処法を問われているので、実践的な技術を問われています。
I-9(重大損傷時の復旧)首都高のタンクローリー火災事故を思い出したのですが、事故という文字はまったくないので、疲労亀裂などの一般的な損傷でも問題ありませんね。どんな損傷とするかの仮定を入れないと書きにくいですね。火災事故、疲労亀裂、地震損傷・・・損傷の種類、損傷の負い方によって、対応はだいぶ違ってくると思います。
I-10(既設橋の実態を踏まえた補強設計)私ならこの問題を選びます。でも、これまでの補強設計の問題と違うのは、実態を踏まえた補強設計というところですので、既設橋の補強に際して応力計測などを経験している技術者が有利ですね。
ここまでがBグループの出題です。
昨年度はコンサル向きの出題が増えたと感じたのですが、今回は少ないですね。コンサル向きと思われるのはI-10くらいですが、それでも実橋計測の経験のある方は一部だと思います。やはりBグループはコンサルタントの技術者には厳しい問題が多く、メーカーの方に答えやすい問題が多いですね。
イマジン * 技術士 * 09:05 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

コメント

イマジン様

「。」と「.」のコメントのところで、お名前を誤記してしまい、失礼しました。
昨年、○重工から関連のエンジニアリング会社へ移り、現地工事業務の範囲を広げるために、1年後に一般から特定建設業へ申請変更を検討(技術士の養成を)しているところです。とは言っても、機械技術士でありながら、建設業法をあまり知りません。
建設業法上の都合もあり、誰か「鋼構造・コンクリート」を受験して欲しいと、数少ない候補者に懇願しているトコロです。

そんな状況なのですが、実は「鋼構造・コンクリート」の専門問題を見るのは初めて・・です。「鋼構造」の方で受けるしかないのですが、「計画・設計」と「施工・メンテナンス」の両面があるのですね。今の会社の人は後者はつらいかもしれないですね。
機械部門では「性能照査」などの用語は使用しませんので、少し違和感のある問題もあります。私が受験するのであれば、AグループではI-4(じん性確保)、BグループではI-6(溶接の品質不良)かI-7(施工の省力化)ぐらいでしょうか。

話は少し違いますが・・私は、「問題選定」にあたって「他の受験者との差別化」ができるかを考えるべきだ・・と受験対策でコメントしています。というのは、「技術士試験は相対評価だ」と考えているからです。単に「答えやすい問題」を選択することで良いか・・という視点です。IntPE
Comment by IntPE @ 2010/02/10 2:57 AM
コメントの修正ができるといいんですが、削除と新規投稿しかできないようです。すみません。このままおいときます。
さて、技術士の鋼構造ですが、「ズバリ」にも書きましたが、この科目の攻略の秘訣は、「弱点の克服」になります。
Aグループか、Bグループのどちらかが苦手という方がほとんどだと思います。
「他の受験者との差別化」をできる「問題選定」というのは、答えられる問題がいくつもある人の贅沢な選択ですね。ほとんどの方が、苦手なグループの専門論文を合格レベルに持っていくことに必死だと思います。
ちなみにAグループの中でI-4を選択する人は、たぶんレベルが高いと思います。なぜなら、鋼製橋脚の設計経験を持つ人は少なく、非常に高度な技術を要すからです。まさに少数精鋭でしょう。選択問題別の合格率があるなら、きっとこの問題を選択した人の合格率は高いと思います。
Comment by イマジン @ 2010/02/10 4:02 AM
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