<< May 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

再生の町

NHKドラマ「再生の町(12/21〜25、全5話)」を観ました。
Iさんから勧められて、気になっていたドラマでした。
私の知らないドラマだったのですが、主人公が私と同じように民間企業を退職して中途採用で市役所に入った人物だということでした。そして、その主人公が、財政破綻した市役所の再建プロジェクトチームに入って・・・というストーリーだから、ぜひ一回見たらいいよって紹介してくれました。

私は財政破綻した市役所と聞いただけで、夕張市をモデルにしたドラマかあ、とくらいにしか受け止めていませんでした。
しかし、ドラマを観ると、このドラマの舞台になっている「なみはや市」というのは、前市長と現職議長の汚職、大学教授の若い新人が市長選を大量得票で圧勝、就任直後に財政問題発覚、ハコモノ行政のつけ、赤字隠しの財政報告、ニュータウン計画問題、なみはや市のドン・権藤議長・・・ひょっとして、このドラマのモデルは・・・
あまりに似ています・・・
ただ、違う点もあるので、やはり考え過ぎですね。

まあ、そういう話はおいといて、このドラマにはとても感心させられました。
特に、市役所という特殊な場所、人たちをとても上手に表現しているところに感心しました。登場人物一人ひとりを見て、ベテラン主査の南果歩さんはまるで○○さん、財政課長の段田安則さんは○○さんそっくり!と思うくらい、私の知る実在の市役所職員に似ていました。また、補助金事業、一人親方、院内学級など、なかなか一般市民にはわかりにくいところも上手に取り上げていました。
わずか3年しか市役所に勤めていない私ですが、私から見ても「そうそう、うちとまったく同じ」と思うところが非常に多かったです。

そして、民間から入庁した主人公ですが、最初は口癖のように「民間だったら、・・・では通用しない」などという言い方をしていました。それが、ドラマ終盤になると、「公務員として、・・・すべきだ」という言い方に変化していました。
これは恥ずかしながら、私にそっくりだと思いましたね。
私が勤めていたところでは財政破綻ということはありませんでしたが、前例主義としがらみによる問題はこのドラマと同じように山積していました。
ドラマの主人公は、市民課に配属された一般事務職、私は土木課に配属された技術職という違いはありましたが、私も市役所を変えるための提案書を提出し、職員表彰というものをいただいたことをふと思い出しました。

ドラマの最後ですが、議長の逮捕という形ではなく、市民が自分でこの問題を考え、何を選ぶかを決めていかなければならないって言っていたのに、結局最後は情に訴えて再生PTが市民に支持されるというのは、どうかと思いました。それって、問題解決してないよなってね。
市民ホールでPTが市民から拍手喝采されたあと、わざわざ「議長逮捕」のシーンが入っていましたが、これも余計だったように感じました。たぶん制作スタッフにすれば、こういう人を許してはいけないという思いで入れたシーンだと思います。
でも、私はそういうシーンを現実の世界で見たものとして、「悪い人たちが警察に逮捕されないと解決できない」という職員の思いが、自浄作用を失わせている最大の原因だと思っていますので、何とか自力で解決するシーンを見たかったですね。
警察に来てもらわないと解決できないという職員の都合のいい主張が反映されたシーンだと思いました。
市幹部や議会の汚職はどこにでもある問題だと思います。
それを解決できるのは警察だけだというのは、公務員の逃げ口上だと思います。
いいドラマだと思ったのですが、最後の最後が残念でした。

イマジン * 公務員 * 11:26 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

地方自治体で続発する不正

今日たまたま、ある地方自治体の公共事業に絡む不正に関するニュースを目にしました。
ここ数年、知事、市長、局長など行政機関のトップが絡む不正事件が多いですね。
こういうニュースを聞くと本当に腹が立ちます。
しかも問題発覚後は、改心するのではなく、問題解明を邪魔する者までいます。困った世の中ですね。
権力の近くにいると、まるで自分の力であるかのように錯覚するのでしょうが、問題発覚後に捜査を妨害するというのは一体何なんなのかと思います。真相が明らかにできなくなることで国民はもちろん被害を被りますが、たぶん、愚かな行動により家族や親戚も迷惑を被るでしょうね。
こういう人間をみるとさらに腹が立ちます。

発覚した不正は氷山の一角で、日本全国にある問題だと思います。知事の連続逮捕のあとは、市長、部局長と、だんだん末端におりてきています。こういう捜査は徹底的にやっていただきたいですね。そして、問題が発覚したら、不正をしたものを罰するだけではなく、不正が生じた背景をよく研究して、二度と不正が生じないように公共工事を見直していただきたいですね。
イマジン * 公務員 * 19:40 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

豎子与に謀るに足らず

実は昨日市役所の職員課に呼ばれて行ってきたところで、私は諸事情があって4月1日付けで自己都合退職します。理由はいろいろあってここではご紹介できませんが、4月1日に退職するということは引けないところなんです。
私は昨年秋に受けた昇格試験に合格しているので、この4月1日の昇格予定者です。職員課の職員も私の同期は全員が昇格すると言っていました。しかし、私だけはこの4月1日に昇格させないと言われました。定期昇級の4号給進ませるだけで、昇格はさせないというのです。
理由を聞くと、「昇格は、”できる規定”なので、昇格条件に合致するものを昇格させることもできるし、させないこともできる。あなたは4月2日以降職員ではなくなるのだから、そのような者は昇格させないというのが、うちの考えです」とのことでした。

「そんな昇格基準あるの?」
まったくおかしな考え方だと思ったので、次のようなことを申し上げました。
・私は昨秋の昇格試験に合格し、4月1日の昇格予定者となっている。
・先月職員表彰を受賞した。優秀な提案者は人事等で考慮すると定められている。
・昇格人事はそれまでの成績・能力に基づくものである。
・昇格人事は”できる規定”となっていても、昇格基準に基づいて判断すべきものであり、恣意的な判断が許されるものではない。
・私が言うことではないが、私の成績や能力は突出しており、私にしかできない高度な職務を担当し、成果を上げてきた。こういう者に対して、このような不当な扱いをすれば、二度と優秀な人材が来なくなる。
・見識に欠けた一部の職員の判断が本市全体の損失になってはならないと危惧するので意見を申し上げる。

それに対して、この職員課の職員の回答は、次の通りでした。
「抗議は市長公室長にしてください。将来のことを人事に考慮することはどこにも書かれていませんので根拠は”できる規定”だけです。条例や規則はここでなくても調べられますから自分で調べてください」とのことでした。

私はこれ以上この職員と話しても無駄だと思ったので、切り上げることにしたのですが、考え違いが甚だしかったので最後にこの職員に対して忠告をしておきました。
「私も含めて多くの職員は、直接市民に対してサービスする職務を担当しています。しかし、職員課は直接市民と向き合うことはなく、職員を向いて仕事をしています。これは、職員が安心して職務に取り組めるようにバックアップすることで間接的に市民サービスに貢献するためでしょう。私が根拠を示してくださいと申し上げたことに対して、あなたは自分で調べなさいと答えましたが、難しい言葉で書かれている条例や規則の内容を分かりやすく説明することが職務でしょう。それを条例や規則は読めばわかるというのでは、あなたはあなたの職務を放棄している。あなたは自身の職務を全うしていない」
これに対してこの職員の回答は
「そう思われても結構です」
とのことでした。

ああ、豎子は与に謀るに足らず (史記)
残念!
イマジン * 公務員 * 13:33 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

公務員3年を振り返ってF庁当時の思い

書斎の片付けはまだ続いています。
そして、また古い資料がでてきました。
私が市役所の採用試験に合格したあと入庁前の3月に提出した「研修資料」というものと、入庁後に職員だよりに掲載される「プロフィール」です。当時、私はこんなことを書いていました。

●入庁前に提出した研修資料
・○○市の職員として第一歩を踏み出すにあたり、自分なりに特にこの点は頑張りたいと思っていることを記入してください。
 これまでの民間での経験と技術を活かし、市行政への新しい風となること。
 また、一方でこれまでの経験分野にとらわれず、公務員として幅広い知識を身につけること。


・○○市をどのようなまちにしたいと思いますか。
 地域の個性を尊重し、地域への愛着を育み、地域のつながりの深い、活気のあるまちにしていきたい。


●入庁後に提出したプロフィール
・好きな言葉
 道はひらける

・今一番やってみたいこと
 ヨーロッパ旅行

・15年後の自分
 若手から慕われる存在でありたい

・自己アピール
 強運

自己採点では、70点くらいでしょうか。少なくとも「新しい風」にはなれました。
それから、今一番やりたいことで「ヨーロッパ旅行」と書いていますね。これは実現すると思います。あとは15年後の自分に向けて、どこまで成長できるかということですね。
こつこつと頑張っていこうと思います。

イマジン * 公務員 * 11:24 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

公務員3年を振り返って⊆臧个慮志

公務員になって、最初に覚えた違和感は「主賓の厚志」でした。
私がコンサルタント会社にいた10年間で一度も聞いたことがない言葉で、まったく理解できない考え方のしきたりでした。
私が市役所に入り、配属先に初めて顔を出したとき、歓迎会の幹事をしている先輩職員がこそこそと近づいてきて、私にこう言いました。
幹事)○日に歓迎会をするから、今日じゃなくてもいいんだけど、コウシ持ってきてくれる。
私)コウシってなんですか。
幹事)ん〜それはだなあ、寸志のことだ。
私)私の歓迎会ですよね。何の寸志ですか。何かあるのですか。
幹事)いやいや、そうじゃなくて。まあ、なんていうかな、「これからよろしくお願いします」っていう意味の寸志だよ。前の会社の時になかった?
私)なかったですねー。歓迎会に招待されているんじゃないんですか?
幹事)招待されているんだけど、まあ、昔からのやり方で、なんていうかなあ、「よろしくお願いします」っていう意味なんだよ。○○円でいいから。
私)ヘンなルールですね。私のいた会社にはそんな習慣はありませんでした。私自身長い間幹事もやりましたが、主賓からお金を取るなんてことは一度もありませんでした。まあ、市役所のやり方でしたら仕方ありませんよね。封筒か何かも要るんですか。
幹事)ああ、封筒も頼む。悪いな。

この習慣、いまでも続いています。
それからずっと、厚志を集めている姿を見るたびにおかしなルールだということを私は言い続けているのですが、市役所しか知らない職員は、これが正式なやり方だと言っています。
昔はそうだったのかもな、と考えたこともありましたが、やはりおかしいなと思うことがまだあるんです。送別会と歓迎会を別々にやらないんです。
私の感覚では、別々にやるのが普通で、一緒にやることがイレギュラーだと思うのですが、必ず一緒にやります。そして、送られる人も迎えられる人も上座に並べて座らされます。別れの盃を交わしている隣で、「よーきたなー」なんて声が聞こえてくるんです。私にはこの感覚も理解しにくいですね。雰囲気も何もあったものじゃありません。建前かもしれませんが、送別会はしんみりやるもので、歓迎会は明るく楽しくやるものです。正式なやり方にこだわるのなら、厚志よりも、送る人と迎える人への礼儀を正式なやり方ですべきです。
こういう正論を言っているようで、本質が完全に正論から外れていることって、市役所にはたくさんありました。不思議なことですが、普通違和感あるだろうって思うことでも、何も感じない人が多いんですよね。

今度、私の送別会がありますが、こんなやり方とっととやめた方がいいと思いつつも、厚志を持っていく自分が情けない。残念ながら、この風習は変えることはできませんでした。残念!
イマジン * 公務員 * 15:35 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

新年会

今日は職場の新年会でした。
と言いながら、実質私の送別会でした。
部長ほかいろいろな方がみえて、市役所の現状を憂いていました。なぜ、この期に及んで、そんな話を私にするのか。
部長は私にこんなことを言っていました。
・午後五時から講義を開いて職員の技術向上を支援してほしかった。
・これでうちの市役所から技術士が一人もいなくなってしまう。
・市役所の仕事をするにはせいぜい一級土木施工管理技士があればよく、技術を磨く環境にないことが残念だ。
しかし、そう言う部長は、私が土木学会の品質確保法委員会の委員に選ばれようとしていた時、土木学会関西支部長からの推薦状も無視して、「本市の職務とは関係ないから、認められない。委員になるなら、年休を取得して参加されたい」と回答した。私は「本市以外に別の発注機関からの委員もいるが、年休を取得して参加している委員はほかにいない。本市の見識の低さを知らしめることになるが、それでもよいか」と聞きなおした。しかし、返事は変わらなかった。
あなたの見識の低さが今の現状を表してるのだと言いたかったが、私は言えなかった。彼の思考の根底にあるのは、本市の環境がもたらしたもので、彼の本質とは異なると感じたからだ。彼はこの市役所しか知らない。彼はこの市役所で30年以上もまじめに働いてきて今の地位にある。私のような民間時代を合わせても10数年しか経験のない者の感覚を理解できるはずがない。と思ったからである。
彼はしきりに頭を下げていた。彼は自分自身を否定しないものの、私に対し申し訳ないと思っているのだ。私がいたわずか3年の間に何が変わったのだろうか。私から伝えたいことが伝わっていないのに、わずかに見えるこの変化の正体は何なのか。公務員も変われるということだと信じたい。
イマジン * 公務員 * 22:35 * comments(3) * trackbacks(0) * - -

職員提案でアイデア賞

今日、職場で「職員提案のお礼ならびに審査結果について」という通知書をいただきました。
昨年私が提出しました職員提案がアイデア賞に選ばれたので、後日行われる表彰式に出席するようにとのことでした。
以前に少しご紹介させていただいたこともあったと思いますが、私が勤める市役所には「職員提案」という制度が、(私が生まれるより前から)あります。まったく活用されていなかった制度ですが、今の市長がこの制度に注目して掘り起こしたものです。
今も進行中ですが、1年半ほど前からうちの市役所では入札制度改革を進めています。私はこの改革を妨害するつもりはありません。しかし、「ちょっと取り違えている」ことや「言葉をすり替えて本質を失っている」ことや一部に「考え違いも甚だしい」ものもあり、しかも昨年のある時期に「このまま実施しますよ」という雰囲気でしたので、黙って見逃すことができなくなってしまいました。
そこで、「少し考え直したほうがいいところがあるよ」というつもりで「公共工事の品質確保と適正化」というテーマの「職員提案」を行いました。
だいぶ抑えたつもりですが、結構辛口の内容を書きました。私が指摘しなければ、誰も指摘する人がいませんから。今日いただいた通知書の2枚目には「職員提案審査結果」というものがあって、
 最終評価:アイデア賞
 判断理由:実現困難な内容もあるが、提案者の知識や意識の高さが感じられる。
と書かれていました。
3枚目以降は、「職員提案に関する関係課意見調書」というもので、わかりやすく言えば、担当部署からの回答です。私の提案は複数の提案を1枚の提案書にパッケージしたものなので、たくさんの課からの回答がついていました。どれも一生懸命に作成された文書だということが伝わってきますが、怒るのを忘れて思わず笑ってしまいそうになる迷答もあります。そのうちこれらは情報公開されると思いますので、詳細はその時に紹介しようと思います。
どこまで実施されるかはわかりませんが、職員提案という制度を使ったことで、「様々な部署の様々な方が、現状を見つめなおしたり、対応を考えたり、改善したり動いた」ということが、有意義であったと思っています。
それから、文書としてわかりやすい(うやむやにされにくい)形で記録されたこともよかったと思います。おそらく、個々の問題を各担当者や担当部署に個別に指摘したのでは、うわべの対応でごまかそうとするでしょう。こうした制度を使うことで、たとえうわべの対応でごまかしたり、言葉をすり替えてごまかしたりしても、記録として残ったので、実効性がなければ、ないとわかった時点で、誰かが再指摘できます。
公務員や行政は変えられないと思っている方が多いと思います(私もそう思っています)が、少しだけ変えることができました。
これからも少しずつ変えていきたいと思います。
イマジン * 公務員 * 23:54 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

公務員3年を振り返って―蘚伉&新規採用職員研修

3月で公務員になって丸3年になります。
公務員としての経験をもって挑戦した技術士/施工計画は、まだ合格発表前なので実を結ぶかどうかはわかりませんが、公務員として3年間、自ら公共工事を企画し、設計し、発注し、監理してきた経験が自分の中で確かなものになりつつあります。
「石の上にも3年」とはよく言ったものです。
1つの節目を迎えるということで、公務員の3年間を振り返ってみようと思います。
今日は最初ですし、私の友人や知人でも何人かがこの4月から公務員になられますので、初登庁のことを思い出してみます。
平成17年4月1日、この日私は民間の設計技術者から転職して、公務員になりました。そのとき何を考えていたのかなあと思い、新規採用職員研修のあとに書いた研修報告書を引っ張り出してみました。

新規採用職員研修報告書 平成17年4月1日〜4月7日
●研修1日目 4月1日(金)晴れ。入庁初日。
 10年間勤めた前の会社を退職し、社会人となって11回目に迎えた年度初めは、見事な晴天であった。
 今日は、妻の育休明けの職場復帰、二人の息子の保育園入園と、まさに我が家の新しいスタートである。しかし、まだ、配属先も決まっていなかったので、春の晴天に反して桜がなかなか咲かぬように、私の気持ちも不安が勝ったままでの初出勤であった。

助役の講和
 「あいさつ」、特に朝のあいさつを「おはようございます」と元気よくすることが大切だというお話であった。
 公務員の定義が「全体の奉仕者」、「市民の奉仕者」であるという原点に立ち戻り、より市民に近い立場、視点で行政を行うことが今の世論であるとすれば、市民の皆さんと接する際もやはり最初は「あいさつ」から始まり、「おはようございます」という元気なあいさつがとても大切だと改めて感じた。

辞令式
 「私が市役所の職員になる瞬間である」という感情は意外に小さく、「配属と待遇がどうなるか」という気がかりが心の中を満たしていた。
 30数人の新規採用者のうち、私の席は15番目であった。募集人数は事務職10数人、技術職若干名ということだったと記憶していたので、事務職、技術職の順に席が並んでいるのだろうと想像をめぐらせていた。辞令の交付が始まると配属課ごとに並んでいるとわかった。事務系の部署が続いたあと私の前の二人(13番と14番)は保育園となって、急に不安になったところで私の名前が呼ばれた。
 市長の前まで進んだところで、「○○市技術員に命ずる。建設部土木課勤務を命ずる」と辞令を読み上げられた。このときから私は市役所職員となった。配属については、ほぼ予想通りであったが、待遇(級、号給および給与)には正直言って驚いた(基本給が前職よりも10万円以上下がっていた)。計算を間違えているのではないかと思い、研修の合間の時間に職員課の方に確認したところ、「公務員の経験は100%評価しますが、民間での経験は割り引くことになっています」とのことであった。
 初めて知った事実であり、残念で悔しいという思いもあったが、自分で選んだ道である。「道はひらける」と信じて頑張るしかないと決意を新たにした。

研修1 社会人としての心構え
 「職場のルールとマナー」、「組織と仕事」について、基本的な事項を説明していただいた。
 10年前、私が社会人となったときも同じような内容の研修を受けたはずだが、あまり記憶がない。改めて説明を受けると、どれも大切なことで、ルール、マナー、心構えといった基本的なことができていてこそ、よい仕事を行えるのだと感じた。
 最後に挙げていただいた10の言葉は、いずれも大事なことだと思った。このうち私は、助役の講和にもあった「あいさつ」と「人を嫌わないように」を心掛けたい。

自己紹介
 新規採用職員が順に自己紹介をおこなった。3人に1人くらいの割合であったか、社会人経験者が多く、心強かった。
 また、登山やオートバイ、それから海外生活など冒険的な趣味や経験を持った方が多かった。ここには、自分から何かをやろう、道をひらこうという意識の方が多いのだろうか。

研修2 公務員としての心構え
 道路計画などの実務をおこなうための法令(道路構造令など)の前に、地方自治法や地方公務員法などの組織法や身分法があり、ここが民間とは大きく異なる点だと感じた。私のような民間経験者は、このギャップに注意しなければならない。
 「地方分権時代に求められる公務員像」ということで、「住民とともに考え、住民福祉の向上を図るため、自ら政策を企画し、実現する人材」というお話があった。これは、地方分権時代に限定されない普遍の公務員像だと思う。自らの政策を企画するためには、柔軟な思考と発想、それから経験が不可欠なので、常に型に縛られない自由な考えかたをできるようにしていきたい。

研修3 給与と勤務条件
 条例主義。勤務時間も給与も条例で定めるところがまさに公務員だと感じた。
 厚遇問題に配慮されてか、給与表は民間と比べても決して高くない水準に抑えられ、横並びも徹底されているようであったが、手当ての種類が民間のそれと比べて非常に多いと感じた。このあたりが今後削減されていくのだろうか。

●研修2日目 4月4日(月)曇り。
研修4 市の財政
 予算、決算、それから財政状況を分析するための指標など、私には難しい分野であるが、想像以上によく理解できたように思う。前職の最後に担当していたアセットマネジメント業務の経験が少しは役に立っているように思えた。
 歳入決算のうち、市税の割合が非常に大きいことには驚いた。逆に市税に依存しすぎているとも感じた。このあたりの感覚を養えるように、財務への関心を高く維持していきたい。

研修5 市の概要
 本市の沿革と市町村合併の動向などに関するお話であった。
 初日の研修でも「住宅都市から文化都市へ」という話を伺ったが、市の目指している方向性が変化してきていることを学んだ。

研修6 地方自治のしくみ
 これまでの研修でも出てきたが、住民の福祉を増進させることが地方自治の目標であり、私たち地方公務員の本分、使命であるということ、そして、これを支える仕組みとして、様々なルール(法令、権利、義務など)があることを学んだ。
 国と地方との関係には、いろいろな問題が含まれており、今後も時代の要請とともに変化していくものと思われるが、身近なところから自分の本分を果たしていこうと思う。

研修7 人権教育について
 非常に難しい問題で、永久になくならないのでは、とさえ思えるが、とても重要なテーマである。
 私は数年前に参加していたユニバーサルデザインに関する活動で、ある身障者の青年に出会った。私は平等に接するというよりもむしろ彼に意識を集中させて接していた。しかし、彼は私に世話されることを望んではおらず、多少苦労しても何事も自分でしたいと考えていた。この点で私は彼を差別(自由を剥奪)していたことに気づかなかった。
 私の行動がバリアフリーを目指すものであるとすれば、彼の望みはユニバーサルデザインだったのだろう。今後、公共事業を担っていくにあたっては、相手の気持ち、利用者の気持ちを大切にしていきたいと思う。

●研修3日目 4月5日(火)晴れ。
研修8 接遇
 ビジネスマナーとしての接遇と市役所の職員としての心構えについて参加型の研修をおこなった。接遇の基本は、公務員でも民間でも全く同じであったが、心構えとして「ある市民に対して職員1人が不快を与えたら『他はいい人だろう』と好意的には決して受け止めてはくれない」というお話が印象的であった。
 また、聴きかたは、今後、住民との協働の機会が増えていく中で重要になってくると思うので、意識的に心掛けていきたい。

研修9 市の情報セキュリティ
 行政においてもサービスの多様化、高度化などに伴って情報化が進んできているが、民間に比べて扱う情報の重要性が格段に高く、情報漏えいが発生した場合に犯罪につながる可能性が高いなど、リスクが大きいため、セキュリティは特に重要である。
 本市の情報セキュリティの内容について説明を受けた範囲では、中堅企業が行っている内容よりやや厳しく、一部の大企業が行っているセキュリティよりも簡易であると感じた。パスワードの暗号化や無線LANの傍受対策が必要ではないかと思われた。

研修10 市の組織と仕事
 例えが不適切かもしれないが、総合商社のように非常に多様なセクションがあり、すべてを把握することは容易でないことだと思われた。
 将来、どのような部署を経験していくことになるのかわからないが、公務員の目標は1つ、目指すべきものは同じだと思うので、前向きに取り組んでいきたいと思う。

●研修4日目 4月6日(水)晴れ。
 庁外のコミュニティセンターや消防本部、浄化場などを見学した。
 市民でありながら、あまりよく知らないものがあり、貴重な体験だった。

●研修5日目 4月7日(木)曇り。
座談会 〜先輩職員と語る〜
 4班に分かれて、先輩職員との座談会をおこなった。
 私の入った班には、事務職と技術職の先輩が1人ずつついた。技術職の先輩は私と同じ土木課の方だった。
 先輩からは、「あいさつだけはきちんと」、「名前を早く覚える」など、貴重なアドバイスをいただいた。

●おわりに
 今回の研修では、市の職員になるにあたっての基礎を教えていただいたほか、先輩職員との交流や同期との繋がりを深めることができて有意義でした。
 研修期間中、講師をしてくださった方々、世話をしてくださった方々、各施設を案内してくださった方々に、この場を借りて深く感謝を申し上げます。

以上

イマジン * 公務員 * 23:58 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

地方公務員の試験

以前に「日暮れて道遠し」という題のブログで、公務員の昇任試験の話を書きましたが、その結果通知が昨日ありました。それから、ズバリの愛読者さんからリクエストもありましたので、公務員の昇任試験と採用試験のことを少し書こうと思います。

●公務員の昇任試験の結果について
たしか守秘義務があると思いますので、詳細なことは書けませんが、結果は合格でした。点数は悪かったようです。少しは勉強しましたが、法律文章を丸暗記する必要がどこにあるのか理解できませんので、いっそのこと私が不合格点を取った方が面白かったかな、という気がしています。
私が不合格点を取った時、果たして私を不合格に出来るのか・・・ん〜、やっぱりこの方が面白そうでしたね。
優れた公務員技術者とはどんな人物なのか。公務員技術者は何を目指すべきなのか。そのあたりの定義とか、理念といったところが自治体の人事職員にはまるで分かっていない、完全に取り違えていると思います。コンピテンシーモデルを提示したほうがいいと思いますね。
私が今年の技術士試験に合格できれば、うちの市役所では職員として初の技術士合格者となります。
そのあとで、私は、私に続く者への道を整備すべきだと提案し、真の技術者の育成を真剣に考えるべきだと訴えるつもりです。

●私が受けたときの公務員採用試験について
私が採用試験を受けたときの募集は次のような感じだったと思います。
 一般行政職員(事務職) 受験資格はたしか27歳くらいまで
 一般行政職員(土木職) 受験資格はたしか33歳くらいまで

私は土木職のほうを受けました。当時32歳でしたので、土木職しか受験資格がありませんでした。
土木職の一次試験は、一般教養試験と土木職用筆記試験だったと思います。
一般教養試験は、公務員試験の本によく出ているような試験そのものでした、世界史とか政治史とか土木技術者がふだん全く使わない知識に関する択一式の試験でした。ちなみに私は、全く勉強せずに受験しましたので、出来もさっぱりだったと思います。

土木職用筆記試験は、たしか6問あったと思います。すべて必須で、最初の問題は力学の問題。2番目〜5番目は用語説明のような問題で、最後の問題は原稿用紙1枚に記述する問題だったと思います。どんな問題だったかもだいたい覚えていますが、たしか試験問題に関して守秘義務があるので、詳細を紹介することはできません。
まあ、技術士試験とほぼ同じと思って良いでしょう。私ははっきりと「この問題を作成した人は、技術士第二次試験(建設部門)を強く意識している」と思いました。2問目以降はすべて技術士試験で出題されても不思議でない問題でした。この筆記試験は民間経験者を採用することを強く意識していると思いました。

採用試験の面接試験は、あまりよく覚えていません。世間話のような問答が多かったです。私の経歴書にある業務のうち、数件に興味をもったようでいろいろ聞かれましたが、最後に「ここに来てもそういう仕事はもう出来ませんよ。ここにあるのはもっとずっと地味な仕事です。それでもやっていけますか」みたいなことを言われたことを覚えています。

私はこの1回しか公務員試験を受けていないので、他のところのことは全く知りません。
私に関して言えることは、技術士試験の勉強だけで、一般教養試験の勉強を全くしなくても地方公務員試験に合格できたということです。つまり、私の受けたところは、たまたま私のような民間経験者を強く求めていたのでしょう。民間経験者を採用したいという強い意向のある自治体もあるということだと思います。
それから、入庁後の昇格に関しては、よく分かりませんが、重要な尺度の1つが地方自治六法に関する法令知識であることは間違いありません。少なくとも昇任試験は、事務職と土木職に分かれていませんので、技術的な問題は出題されないことになっています。技術力ゼロでも昇任には全く関係ありません。あとは、上位者のつける内申点とペーパー試験の点の重みがどのようになっているかですね。内申点もペーパー試験の点も実務能力を間接的に表しているような、いないようなというところが人物評価の難しさなのでしょう。
私の友人が、「市役所の技術系部署の課長以上は技術士でないとなれないことにすべきだ」と言っていたことをふと思い出しましたが、この考え方は面白いと思います。客観性があり、シンプルであり、こういう考え方は好きですね。公共土木事業における最高位の技術資格が技術士だと認められているので、それを発注する立場の職員に対して、この資格の取得を評価の1指標にするという道理は成り立つと思います。行き過ぎはいけませんが、技術士を条件の1つに加えるのはとても良いことだと思います。たぶん、気概のある技術職員はやる気になるでしょうし、自分を評価する人間は全員が技術士だとなれば、実務能力の評価に対する不満も減ると思います。いまの公務員の能力主義よりは、ずっといいと思いますね。

イマジン * 公務員 * 00:08 * comments(4) * trackbacks(0) * - -

日暮れて道遠し

●ADR法務大臣認定者が各法務局で公表
パソコンの修理中にたくさんのメールがたまっていたのですが、そのなかにうれしいニュースがありました。
以前にもご紹介させていただきました、土地家屋調査士のADR資格の法務大臣認定者が各法務局で公表されたようです。そのなかに父の名もあったそうです。

●市役所の昇任試験
私もこの夏、8月上旬に技術士第二次試験、9月上旬に土木学会上級技術者試験、10月上旬に市役所の職員昇任試験の3つの試験を受けました。
市役所の職員昇任試験というものは、大卒であれば3年目の職員が受ける試験で、合格すると1級から2級に昇格するというものです。職場の方に聞いた情報によると、これまでにこの試験で落ちた方はいないそうですが、私には難しい試験でした。
受験案内には、試験内容は「日常の職務遂行に必要な基本知識」と書かれていましたが、土木の技術職員である私が日常の職務に必要なものはほとんど出題されませんでした。出題は、地方自治法、地方公務員法、地方財政法、地方税法、市の条例に関するものがほとんどでした。それもほとんどが法令に書かれている文言そのものを問う、いわゆる暗記モノの試験で、選択問題はなく、すべて必須問題でした。
私の所属する係の職務は、「道路・橋りょうの新設工事・改良工事の企画・調査・測量・設計・施行・監督・指導、道路用地の寄附に関すること」だと明記されており、公表もされています。この職務を遂行するために必要な知識は、第一に土木の技術基準であり、第二に建設業法・道路法・建築基準法・市の関係条例などの建設関係法令であり、地方自治法や地方公務員法といった法令知識は、概念を理解していればよく、正確な文言は、必要な時に自治六法を開いて確認すればよいものだと理解しています。
このときに少しだけ勉強した公務員知識によれば、この形骸化した試験を「成績主義」とか「メリットシステム」というそうです。実際に体験する機会はなかなかないので、貴重な体験をしたと思っています。
実際に受けてみて分かったことは、一般職の地方公務員には、自治法や公務員法などの根幹的な法令のみの理解の程度を主な尺度として成績評価をしているため、プロフェッショナルが育ちにくいのだということです。実際に、仕事をしているふりをしている、日常業務の遂行能力のない職員ほど、この試験に真剣に取り組んでいました。
市役所の職務というのは多様なので、昇任試験(人事)を担当する職員にとっては、同じものさしで能力を比べようとすれば、自治法や公務員法といったものの理解度というのは、とても都合のよいものです。だから、これを指摘する声がなければ、いつまでもこのやりかたを続けるでしょう。
私はこれまでにいろいろな試験を受けてきましたが、多様性の強い対象について能力を審査するときは、選択問題も用意して、実務的な能力の審査も行うのが常識だと思っています。
公務員の能力向上。
これは私がとても重要だと考えていることの1つです。市役所には古い悪しき慣習がたくさん残っているので、少しずつ改善していかなければなりません。しかし、残念ながら、形骸化した昇任試験についても改善すべきだと声を上げる職員はいません。だから、自分でいうしかないかもしれません。いいたいことは山ほどあって、緊急性が高いもの、あるいは私の職務に直接影響するものから順に改善提案を行っているところで、そのなかに職員の能力向上に関係する提案も含めていますが、昇任試験については入れていませんでしたので、時期をみて改善提案をしようと思います。先は長いですね。
日暮れて道遠し
伍子胥には遠く及びませんが、伍子胥のようにあきらめず、信念を貫く生きかたをしたいですね。
イマジン * 公務員 * 23:57 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
このページの先頭へ