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青技懇20周年記念例会

今日は、青技懇の20周年記念例会がありました。
その昔、私が青技懇に入って間もない頃に10周年記念がありましたので、あれからもう10年が経ったのですね。

今日は懐かしい顔ぶれにたくさん会うことができました。
皆さん、しっかりと10年、年を取っていたけど、話をしてみると、昔のまままったく変わっていなくて、とても懐かしかったです。
自分のことを振り返ると、私もずいぶんと変わったもんだなと思いました。
まず、10年前は技術士ではありませんでしたね。
それと、1つの会社しか知りませんでした。
利益率とか原価率なんてことは、ほとんど意識せずにがむしゃらに仕事をやって、仕事の度に新しいことを知り、新しい挑戦を勢いで乗り越えていっていました。それで、結果として、会社も自分も目標をクリアしていました。そんな時代でした。
この10年の間に、技術士を4つ取得し、会社を2度辞めて、コンサル、自治体、主夫という経験をしました。
そして今、コンサルに復帰して、また橋の設計に携わっています。
10年前に比べて、時代はずっと厳しくなりました。10年前は技術士1つでどこにでも行けましたが、今は4つ持っていてもやっとでした。とは言っても結局は、技術士という資格に助けられました。
そして、昔よりも少し重い立場で、昔よりも少し視線を離して、昔よりも少し幅広い範囲の仕事をしながら、昔の勘を取り戻しつつ、よりよい仕事をするために、日々、精進しています。

技術士という資格には、転職や就職において助けられただけではなく、人との出会いという面でより大きな恩恵を受けました。
特に青技懇の人たちとの出会いは、私の楽しみとなり、考え方や生き方にも大きな影響を与えたと思います。
その懐かしい人たちに今日はたくさん会えました。

同じ年に技術士一次試験に合格して、青技懇入会の同期となったNさんは、今や建設部門と森林部門の技術士で活躍されていて、何と、私の今の職場の同僚の一人を知っているということで、ご紹介いただきました。
青技懇の幹事でコンビを組んでいたFさんには、ドイツに行く前に心のこもった餞別をいただいていましたね。帰国してから、ドイツワインとドイツ鉄道史の本をお渡ししたいとずっと思っていたのが、今日ようやく実現しました。そして、久々に話をしましたら、何と、先月私の同僚が現場見学会に行かせていただいた現場の副所長をされているということでした。そうと知っていれば、私も行かせていただいていたのに。でも、いつでもおいでと言っていただきました。
本当に世間は狭いです。
そのほかにも、たくさんの懐かしい人たちに会えて、とても楽しい一日でした。
今日の20周年記念例会を準備して下さった皆様には、心から感謝したいと思います。
素敵な一日をありがとう。
イマジン * 技術士 * 23:19 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

APECさんと再会

今日、久々にAPECさんと再会しました。
前にあったのはいつだったでしょうか。
ドイツ出発前の青技懇ではAPECさんが来れなかったし、そのあとにAPECさんに講演していただいた時は逆に私がドイツに行った後だったので、おそらく最後に会ったのは、その前の年のプロエンジニアのセミナーの時だったんじゃないかなと思います。
たぶん四年ぶりの再会です。

先月、APECさんから連絡をいただいて、今日は新大阪でセミナーをするから一杯いきましょうって、誘っていただきました。
久々の再会でしたが、APECさんはまったく変わってなくて、むしろパワフルになっていたように感じました。趣味がボランティアになっているということなんでしょうが、こんなに長期間にわたって仕事の傍らのボランティア活動を発展的に継続していることが驚き以外の何物でもありません。
私がAPECさんのサイトで技術士受験の勉強をしたのは、もう10年も前のことなので、少なくともAPECさんはこんな活動を10年も続けておられることになります。
本当に頭が下がります。

今日は勘介さんとも再会できました。勘介さんには、ドイツに行っている時にも貴重な資料をいただいたことがありました。お世話になりっぱなしで恩返しができないことが心苦しいです。
といいながら、今日もおごっていただいちゃいました。

それから、宮田さん。
宮田さんとは、すでに青技懇で再会を果たしていましたが、あまり話をする時間はなかったので、今日はゆっくり話ができて良かったです。

秋にもまた大阪でセミナーを開くので、その時また飲みましょうって、次回また誘っていただけることになりました。
APECさんや勘介さんや宮田さんと知り合った時は、技術士と言う共通点を持ちながらも、専門分野はみんなそれぞれ異なるので、まさかこういう長いお付き合いになるとは想像もしていませんでしたが、とてもいいお付き合いをさせていただき感謝しています。
次回がとても楽しみです。

イマジン * 技術士 * 00:28 * comments(6) * trackbacks(0) * - -

平成21年度技術士試験結果(全部門)

今日は、平成21年度技術士試験の全部門の合格率を見てみます。





全部門平均の口頭試験合格率は83.3%で、前年度よりも0.1%下がりました。最終合格率は16.0%で、前年度よりも0.3%上がりました。建設部門の最終合格率は13.0%で、建設部門以外の部門の平均最終合格率は19.7%でした。
昨年4%も合格率が低下した総合技術監理部門は、リバウンドのほうが大きく、6%も上昇して21.7%となりました。
一番新しい原子力部門は、2年連続で大幅に合格率が低下し、23.6%と他部門と変わらないレベルになりました。

また、建設部門と同じように、部門単位でも筆記試験合格率と口頭試験合格率の青字と赤字が反転しています。最終合格率は前年度とあまり変わらなくなっているところが多いです。
部門間の合格率のバラツキは、最低が情報工学部門の12.2%、最高が森林部門の30.4%となり、差が縮まりました。
受検者数が多い部門で合格率が高かった機械部門と農業部門は、予想通り下がりましたが、機械部門はまだ25%を超えているので、来年度も合格率が下がると思います。
イマジン * 技術士 * 23:52 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

平成21年度技術士試験結果(建設部門)

昨日、平成21年度技術士試験の合格発表がありました。
合格された方、おめでとうございます。

例年通り、まずは建設部門から合格率を分析してみようと思います。





建設部門全体の口頭試験合格率は85.2%で、前年度よりも1.3%上がりました。最終合格率は13.0%で、前年度よりも0.4%下がりました。最終合格率は、13.9%→13.4%→13.0%とやや低下傾向が見られます。
視覚的な印象で言うと、科目ごとの筆記試験合格率と口頭試験合格率の青字と赤字がほぼ反転していますね。筆記試験合格率、口頭試験合格率を個々に前年度合格率と比較すると、1%以上の差があるところが多々ありますが、最終合格率ではほとんどが前年合格率の1%以内に収まっています。
この現象を見ると、最終合格率を前年度並みにするように口頭試験の合格率を調整しようとしたように感じられますね。そうだとすると、最終合格率の低下は意図したものではなく、偶然の結果かもしれません。

昨年度は、科目間の最終合格率のバラツキが調整されたように見える結果でした。今年度も科目間の合格率を調整しようとしたのであれば、鉄道の口頭試験合格率は70%前後だったはずです。それが91.3%だったところを見ると、やはり、上述の通り、今年度は科目間のバラツキ調整はせずに、各科目が前年度並みの合格率にしようとしたように感じます。鉄道の前年度合格率は16.3%ですから、口頭試験で特段厳しくしなくてもよいと判断したが、蓋を開けてみると、少し合格させ過ぎてしまった、という感じに見えます。

ほとんどの科目の最終合格率が11〜15%となっているなかで、鉄道の18.1%はやはり突出しているように映りますので、来年度は下がるでしょうね。他の科目は特に目立つものがないので、来年度も大きく変わることはないでしょう。
イマジン * 技術士 * 08:27 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

H21筆記試験の分析ぁ米始の専門論文)

今日は、道路の専門論文を見てみます。

●平成21年度 道路の専門論文の出題
I 次の2問題(I-1、I-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えて、それぞれ3枚以内にまとめよ。)
I-1 道路の計画・設計に当たっては、必要に応じて道路構造令の規定を弾力的に運用することが求められている。このように規定を弾力的に運用する目的について、具体例を挙げて説明するとともに、その運用に当たっての留意点や課題についてあなたの意見を述べよ。
I-2 次の5設問のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記すること。)
I-2-1 魅力ある世界有数の観光地の形成などの観点から、無電柱化の推進が図られている。無電柱化に関する以下の問いに解答せよ。
(1) 無電柱化の目的と現状について解答せよ。
(2) 積極的な整備を進める際の課題を説明するとともに、その解決策についてあなたの意見を述べよ。
(3) 今後、重点的に整備を実施すべき個所とその理由についてあなたの意見を述べよ。
I-2-2 道路橋の主要部材である鋼部材とコンクリート部材のそれぞれについて、主な損傷の特徴と原因を説明せよ。また、道路橋について、維持管理コストを抑えながら長期的な健全性を確保するために、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。
I-2-3 地域の実情を踏まえた真に必要な道路整備を進める上で、社会・経済的な側面から道路事業の妥当性を適切に判断することが重要である。その判断に際して、現在一般的に行われている費用便益分析の手法の概要と課題を説明し、今後より適切なものとするための工夫についてあなたの意見を述べよ。
I-2-4 高速道路をはじめ幹線道路で普及が進んでいる排水性舗装について、その技術的特徴と期待される効果、並びにこれまでに明らかになってきた課題を説明せよ。また、これらを踏まえ、課題の解決策を含めて排水性舗装を今後どのように活用していくべきか、あなたの意見を述べよ。
I-2-5 道路土工において、環境保全の観点から考慮すべき事項に関して、計画・設計段階及び施工段階のそれぞれについて具体例を挙げて説明するとともに、環境保全のための方策についてあなたの考えを述べよ。

●分析
問題をざっと眺めて、まずはほっとしました。
というのも、必須問題が、昨年、一昨年と2年続けて政治色の濃い出題でした。技術士試験に政治色を入れるのはやめていただきたいと思っていましたので、必須問題を見てまずはほっとしました。
それから、5つの選択問題ですが、これも2年続けて新制度の道路の専門論文にはふさわしくないと思われる問題が多くありました。他の科目と比べて、新制度の改正趣旨が反映されていないと思っていたので、今年の選択問題を眺めて再びほっとしました。
ようやく道路も技術士新制度らしくなりました。
それでは、個々の問題を見ていきます。
I-1(道路構造令の弾力的運用) 良問ですね。道路は分野として広すぎるため、必須問題はこれまでどうしても建設一般のような出題になりがちでした。しかし、今年の出題は違いますね。道路の技術士を目指す者に共通して問い、なおかつ、専門知識と応用能力を試すとても良い出題だと思います。もっと言えば、技術者哲学までも問うていると思いますので、たくさんの方の答案を読んでみたいと思う出題ですね。
I-2-1(無電柱化の推進) 国交省が推進している重要施策のひとつです。ヨーロッパの街を見ていると、確かに電柱のない(地中化された)街が多いので、日本の街はゴミゴミしていると感じます。
I-2-2(道路橋維持管理) 鋼構造及びコンクリートのような出題ですね。しかし、道路分野として考えても橋梁の維持管理は非常に重要なテーマで、鋼部材とコンクリート部材の損傷の特徴くらいは理解しておくべきだと思いますので、道路で出題されても違和感のない出題です。
I-2-3(費用便益分析) 事業評価に関する問題ですが、近年出題の続いた政治的な問題ではなく、事業評価手法に関する技術的な問題ですので、良問だと思います。現在の評価手法の課題を示して今後のための工夫を求めている、非常に大きなテーマです。「今後に向けた方策を述べよ」ではなく「工夫」としているところに、テーマが大きくなりすぎないための配慮を感じました。
I-2-4(排水性舗装) 頻出問題ですね。準備されていた方は多かったと思います。
I-2-5(土工での環境保全) 環境保全と言うと、地球環境の保全から沿道の生活環境の保全まで多種多様なので、いろいろな書き方のできそうな出題ですね。
今年の道路の出題は、ここ2年の出題からガラリと変わりましたね。
必須問題と選択問題のテーマの取り上げ方もいいし、個々の出題の問いかたが現状→課題→解決策と新制度らしくなっている点も良くなったと感じました。
イマジン * 技術士 * 07:41 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

H21筆記試験の分析(コンクリートの専門論文)

今日は、コンクリートの専門論文の出題を見てみようと思います。

●平成21年度 コンクリートの専門論文の出題
I 次の18問題のうち、「鋼構造」を選択する者はAグループ(I-1〜I-5)から1問題とBグループ(I-6〜I-10)から1問題を選んで合計2問題、「コンクリート」を選択する者はCグループ(I-11〜I-14)から1問題とDグループ(I-15〜I-18)から1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

(Cグループ)
I-11 コンクリート充填鋼管の柱部材に使用する充填コンクリートについて、以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
(1) 充填コンクリートに必要とされる特有の性能について説明せよ。
(2) コンクリートを充填する際の施工上の課題を幅広い観点から示し、それらを解決するための方策についてあなたの考えを述べよ。
I-12 鉄筋コンクリート構造物の乾燥収縮ひび割れについて、以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
(1) ひび割れの発生メカニズムと影響因子について説明せよ。
(2) 有害なひび割れの制御において、重要と思う課題を示し、今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べよ。
I-13 複数の劣化を複合しているコンクリートの劣化(複合劣化)について、以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
(1) コンクリート構造物で生じやすい複合劣化を1つ挙げ、劣化のメカニズム及び変状の特徴について説明せよ。
(2) (1)で示した複合劣化について維持管理上の課題を挙げ、今後どのようなことに取り組むべきか、あなたの考えを述べよ。
I-14 スラグ細骨材について、以下の問いに答えよ。(各問1.5枚程度)
(1) JIS A 5308:2009(レディミクストコンクリート)にコンクリート用細骨材としての使用が許されているスラグ細骨材を1つ挙げ、そのスラグ細骨材及びそのスラグ細骨材を用いたコンクリートの特徴を述べよ。
(2) (1)で選択したスラグ細骨材の普及を阻害している要因を、技術的視点を含め幅広い観点から示し、それらを解決するための方策について、あなたの考えを述べよ。

(Dグループ)
I-15 鉄筋の継手について、以下の問いに答えよ。
(1) 鉄筋の継手方法について代表例を3つ挙げ、それぞれについて説明せよ。(1枚程度)
(2) 繰り返し荷重を受ける鉄筋コンクリート部材を1例挙げ、その部材が所要の性能を発揮するため、鉄筋継手部を含む部位(鉄筋継手部)において、照査すべき性能を示し、その性能を確保するために設計上配慮すべき事項について、幅広い観点よりあなたの考えを述べよ。(2枚程度)
I-16 鉄筋コンクリート構造物の耐震性能について、以下の問いに答えよ。
(1) 棒部材のじん性確保が、耐震性能に与える影響について説明せよ。(1枚程度)
(2) 上記を踏まえ、地震時及び地震後のラーメン構造物に求められる主要な性能を3つ挙げ、それらを含め耐震設計のあるべき姿について、あなたの考えを述べよ。(2枚程度)
I-17 コンクリート構造物設計へのFEM解析適用について、以下の問いに答えよ。但し、温度応力解析は除くものとする。
(1) FEM解析について概説し、適用事例を1つ挙げその必要性について述べよ。(1枚程度)
(2) 解析する際の留意点と対応策を幅広い観点から3つ挙げ概説せよ。また、それらを踏まえたうえで、FEM解析の今後のあるべき姿について、あなたの考えを述べよ。(2枚程度)
I-18 プレストレストコンクリート(PC)構造物特有の問題について、以下の問いに答えよ。
(1) 耐久性が損なわれた事例を1つ挙げ、その損傷状況と推定される原因について述べるとともに、補修・補強方法について説明瀬よ。(1枚程度)
(2) 構造物の耐久性を向上させるための設計上の留意点と対応策について示し、それらを踏まえたうえでPC構造物の今後のあるべき姿について、あなたの考えを述べよ。(2枚程度)

●分析
平成19年度から3年続けて、Cグループでは品質確保に関係する問題、Dグループではコンクリート構造に関する問題が出題されました。出題形式も昨年とほぼ同じで、前半部分では「○○について概説せよ」と問い、後半部分では「課題と解決策(または、どのように取り組むべきか)を述べよ」と問う出題になっています。どうやらグループの分類と出題形式は固定されたようですね。
Cグループから見ていきます。
I-11(充填コンクリート) 特殊コンクリートは頻出問題なんですが、充填コンクリートの品質が問われるとは意外でした。コンクリート充填鋼管柱の使用が増えてきているということですかね。
I-12(乾燥収縮ひびわれ) また出ましたね。平成19年度試験でもよく似た問題が出題されました。そして、私の書いた「ズバリ」のコンクリートのところで唯一紹介していた論文例が「コンクリートの収縮」でした。収縮というのはコンクリート分野にとって非常に重要なテーマになっているということですね。来年以降もまた出題されるでしょう。
I-13(複合劣化) これもまた出ましたって感じですね。平成19年度試験では「アルカリ骨材反応との複合劣化」が出ました。応用能力を試すという技術士新制度の趣旨からすると、複合劣化というのは応用能力を試すのに適していますので、非常に出題しやすいテーマだと思います。これもまた出題されるでしょう。
I-14(スラグ細骨材) 昨年は再生骨材について、現状概説、普及阻害要因、解決方策を問う出題がありました。品質確保をテーマにしたCグループでは、こういう出題は今後もあるでしょうね。

次に、Dグループを見ていきます。
I-15(鉄筋の継手) 良問ですね。道路のようにコンクリートにも必須問題があるなら、この問題は必須問題でも不思議ではないと思います。鉄筋の継手に関する知識は、コンクリート構造物に携わる者には必須でしょう。このブログで紹介したこともありますが、残念ながらそうした知識の欠落した者が過った用法をしている場合に遭遇したことがあったので、思わず「良問」と書いてしまいました。
I-16(RC構造物の耐震性能) この問題を読んだ時、「棒部材」という言いかたに、なぜ「柱部材」じゃないんだと引っかかりました。最後まで読むと、後半はラーメン構造に限定して問うているので、おそらく前半部分の棒部材というのもラーメン構造を想定していて、門形ラーメンの「柱部材」と「梁部材」を想定しているのだろうと思いました。ところが、そう解釈すると、「柱部材のじん性確保」はごく当たり前のことを書けばいいですが、「梁部材のじん性確保」となると梁部材はじん性部材にしないのが基本だと思うので、非常に書きにくいと感じました。とてもヘンな問題だと感じたのは私だけでしょうか。
I-17(温度応力以外のFEM解析) 道路橋示方書に示される床版スパンを超える長スパン床版を採用したいときにFEM解析を行うことが浮かびましたが、電気防食を行う際の電極配置や電流強度の検討にも使われているのを見たことがあります。普通はあまり使わない解析手法だと思いますので、専門的な業務に携わっている技術者向きの問題だと思いました。
I-18(PC構造物の耐久性阻害事例) 真っ先に浮かぶのは塩害ですね。この問題を選択した方のほとんどが塩害について書いたのではないでしょうか。PC構造物の塩害と捉えると、とても素直で対応しやすい問題だと思います。

昨年度のDグループは予想しにくい問題が多いと感じましたが、今年はそうでもないですね。特に、Cグループの乾燥収縮ひびわれ、複合劣化、Dグループの鉄筋継手、PC構造物の耐久性阻害(塩害)といったところは、すごく重要なテーマで、どれも来年または数年後には出題されそうな気がしました。
イマジン * 技術士 * 08:19 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

H21筆記試験の分析◆聞盜渋い寮賁舅席検

今日は、鋼構造の専門論文の出題を見てみようと思います。

●平成21年度 鋼構造の専門論文の出題
I 次の18問題のうち、「鋼構造」を選択する者はAグループ(I-1〜I-5)から1問題とBグループ(I-6〜I-10)から1問題を選んで合計2問題、「コンクリート」を選択する者はCグループ(I-11〜I-14)から1問題とDグループ(I-15〜I-18)から1問題を選んで合計2問題について解答せよ。(問題毎に答案用紙を替えて解答問題番号を明記し、それぞれ3枚以内にまとめよ。)

(Aグループ)
I-1 高性能鋼と称される鋼材を3つ挙げ、汎用的に使用されている鋼材と比較して、その特徴と利用事例を述べよ。また、そのうちの1つの鋼材について実務で利用する際の留意すべき事項、将来の展望について具体的に述べよ。
I-2 新しい形式の構造物の性能を照査する方法は、一般に、解析を主にするものと実験を主にするものに大別される。これらの2つの照査方法を概説せよ。また、鋼構造物における、これら2つの照査方法の課題と技術的解決策を述べよ。
I-3 風により発生する構造物の振動現象を2つ挙げ、それぞれの発生メカニズムと振動現象が構造物に与える影響について述べよ。また、2つの振動現象に対して、振動を抑制する方策(耐風安定化対策)、耐風設計あるいは耐風安定性の向上に関して今後開発が望まれる技術について述べよ。
I-4 鋼構造物の耐震設計におけるじん性(粘り強さ)確保の意義を述べよ。また、鋼構造物のじん性に影響する設計上のポイントを2つ挙げ、それぞれについて、じん性を確保するための課題と技術的解決策を述べよ。
I-5 高次不静定構造物の一般的な構造特性について説明せよ。また、高次不静定の鋼構造物を設計する場合において、設計品質を確保するための課題を2つ挙げ、それぞれについて技術的解決策を述べよ。

(Bグループ)
I-6 工場溶接あるいは現場溶接で起こりうる品質不良の状態を2つ挙げ、発生する原因、不良状態が鋼構造物にもたらす影響、処置方法及び予防方法を述べよ。また、溶接品質をより確実あるいは効率的に確保するために、今後開発が望まれる技術についてあなたの考えを述べよ。
I-7 鋼構造物の製作又は施工の省力化につながる工法を2つ挙げ、概説せよ。また、それぞれの課題と技術的解決策を述べよ。
I-8 耐候性鋼材を使用した既設構造物におけるさびの状態を評価する代表的な方法を挙げ、概説せよ。また、さびの状態が良好でないと評価された場合の対処法、留意点を述べよ。
I-9 鋼構造物に重大な損傷が発生した場合の対処と復旧における留意点について述べよ。また、復旧の効率化を実現するための課題を2つ挙げ、技術的解決策を述べよ。
I-10 鋼桁の補強工法を2つ挙げ、その工法の概要、補強効果及び留意事項を概説せよ。また、既設橋の実態を踏まえた補強設計のあり方についてあなたの意見を述べよ。

●分析
まず、問題数ですが、平成20年度試験では、Aグループ、Bグループそれぞれ4問に減りましたが、平成19年度以前と同じ各5問に戻りました。
Aグループでは、計画や設計に関する問題が、Bグループでは施工やメンテナンスに関する問題が多く出題されるという傾向には変化はありません。また、問われかたも前年度と同じで、前半部分では「○○について具体例を挙げて概説せよ」と問い、後半部分では「課題と解決策を述べよ」と問う形式となっています。
Aグループの出題から見ていきます。
I-1(高性能鋼)平成17年にもほぼ同じ問題が出ています。鋼橋の設計に携わっている技術者なら、通常の設計業務の中でも耐候性鋼、LP鋼板、降伏点一定鋼などの高性能鋼を使っているので、準備していなくてもかなり書ける問題だったと思います。
I-2(性能照査の方法)性能照査型設計法に関する問題は、2年続けて出題されていますが、今回の問題は少し違って、解析による方法と実験による方法について課題と解決策を問われています。新しい構造形式を使っていくためには、解析では予測できない問題もチェックしなければならないので、通常実験による方法が採られます。そういうことを念頭においた問題だと感じました。
I-3(耐風設計)とても鋼構造らしいテーマですが、一般橋ではほとんど問題になることがないため、これまでほとんど出題されることのなかった問題です。この問題が出題された理由も実は新しい構造形式に関係があるのではないかと思いました。新しい構造形式の多くは、スリムな構造で振動しやすくなります。そのため、耐風安定性が問題になることも出てくるでしょう。そうしたことを念頭においた問題だと感じました。
I-4(じん性確保)一昨年までほぼ毎年出題されていた耐震に関する問題が昨年は出題されなかったので、今回は予想通りの出題ですね。鋼構造物でじん性を活用するものといえば、まず浮かぶのは鋼製橋脚です。それから、アーチ構造もそうでしょうか。じん性確保という問われかたをすると、書きやすそうなのは、やはり鋼製橋脚の角割れ防止や幅厚比制御といった技術に関することですね。
I-5(高次不静定構造物)私が設計したことのある高次不静定構造物というと多径間連続桁ですが、2径間連続桁でも5径間連続桁でも同じ骨組み解析を使うので、あまり不静定次数を意識したことはなかったですね。私には答えにくい問題です。
ここまでがAグループの出題です。
鋼構造らしいテーマが並んでいますね。ただ、例年よりも少し専門性が強いというか、耐風設計と高次不静定構造物は予想外でした。来年は、スタンダードなテーマ(疲労、接合、座屈など)が戻ってくるのではないでしょうか。
これまで通りですが、このAグループはコンサルタントの技術者に答えやすい問題が多く、メーカーの技術者に厳しい問題が多そうですね。

次に、Bグループの出題を見ていきます。
I-6(溶接の品質不良)すごく専門的な問題ですね。溶接の品質に関する出題は平成18年にありましたが、意外にもあまり出題されていませんね。工場製作あるいは現場架設に携わっている技術者でないとなかなか書けない問題だと思います。
I-7(施工の省力化)2〜3年毎に出題されているBグループの頻出テーマですね。条件設定もほとんどなく、皆さん答えやすかったのではないかと思います。
I-8(耐候性鋼の状態評価)これも専門的な問題です。耐候性鋼材はこれまでもよく出題されてきたテーマですが、今回はさびの評価法や状態が悪かった場合の対処法を問われているので、実践的な技術を問われています。
I-9(重大損傷時の復旧)首都高のタンクローリー火災事故を思い出したのですが、事故という文字はまったくないので、疲労亀裂などの一般的な損傷でも問題ありませんね。どんな損傷とするかの仮定を入れないと書きにくいですね。火災事故、疲労亀裂、地震損傷・・・損傷の種類、損傷の負い方によって、対応はだいぶ違ってくると思います。
I-10(既設橋の実態を踏まえた補強設計)私ならこの問題を選びます。でも、これまでの補強設計の問題と違うのは、実態を踏まえた補強設計というところですので、既設橋の補強に際して応力計測などを経験している技術者が有利ですね。
ここまでがBグループの出題です。
昨年度はコンサル向きの出題が増えたと感じたのですが、今回は少ないですね。コンサル向きと思われるのはI-10くらいですが、それでも実橋計測の経験のある方は一部だと思います。やはりBグループはコンサルタントの技術者には厳しい問題が多く、メーカーの方に答えやすい問題が多いですね。
イマジン * 技術士 * 09:05 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

H21筆記試験の分析 雰設一般)

平成21年度の技術士試験は、筆記試験が昨年夏に終わり、口頭試験も12月と1月なので、ほとんど終わっていることでしょう。
で、今ごろ何?って感じですが、昨年夏に行われた筆記試験の出題をようやく知ることができたので、ちょっと見てみようと思います。
まずは、建設一般からいきます。
出題は、次の通りでした。

●平成21年度 建設一般論文の出題
 次の2問題のうち1問題を選んで解答せよ。(答案用紙3枚以内)
-1 地球温暖化を緩和するための低炭素社会について、以下の問いに解答せよ。
(1) 低炭素社会の実現に向け貢献できると考えられる社会資本整備の取り組みを3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
(2) 前項で述べた取り組みの1つを取り上げ、その推進にあたっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。
-2 建設部門においては、解析・設計から管理に至るまでコンピュータの導入と併せ、技術の高度化・細分化が進展しており、計算結果の妥当性を総合的に判断することが困難となってきている。
このような状況を踏まえ、技術者として解析・設計や数値シミュレーション等の成果の合理性を総合的に判断できる技術力を維持するための課題と、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。

-1は、平成20年度の試験で大本命と言われていた「地球温暖化対策」が1年スライドして出題されました。
リベンジ組はラッキーだったでしょうね。準備していたけど、役に立たなかった論文が日の目を見たことでしょう。
条件設定がほとんどなく、記述する順序だけが指定されています。(1)で社会資本整備の中での取り組みを3つ挙げ、(2)でそのうち1つを取り上げて、推進するための課題と解決策を述べる、という指定です。ごく自然な流れを指定してあるので、もうこのまま書くだけですね。とても書きやすい問題だと思いました。

-2は、意外な問題ですね。解析・設計・数値シミュレーションというところに絞った問題です。こういう特定の分野に絞った問題を出すと、受験者の専門によって有利、不利が顕著に出るので、建設一般で出題されることはないと思っていました。とても意外と言うか、こういう問題を出していいの?という驚きがありました。建設部門の仕事に携わる人の中には、解析とは無縁の人も少なくないと思うので、そういう人たちには気の毒な出題でしたね。とても素直な1問目があって、こういう2問目があるのでしょう。
で、出題の内容はというと、なかなか重要なテーマを突いていると思います。私の感覚で言うと、ここで問われている「総合的に判断できる技術力」というのは、一般的な言葉で言えば、「勘」であり「経験」であると思います。これを維持するための課題と方策ですから、非常に大きなテーマですよね。私には「技術者の勘を育て、継承していくにはどうすべきか」と問われているように聞こえます。
経験を大事にする。業務を消化で終わらせず、技術者としての血や肉に変えていく。
探究心を大事にする。議論を戦わせる場をなくさず、切磋琢磨できる環境をつくる。
多様性を大事にする。いろいろな経験を積ませる。いろいろな人と交流させる。
・・・
なんか、私の頭に浮かぶことを書いていくと、建設一般の論文とは思えないような方向に行ってしまいますね。
この問題を選択された方は、どのようなことを書かれたのでしょうか。興味があります。

平成20年度の建設一般の分析では、こんなことを書いていました。
次は、専門論文の分析もやっていこうと思います。
イマジン * 技術士 * 06:37 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

技術士口頭試験前の準備

早い方はあと一週間ほどで口頭試験でしょうか。
ズバリ!に書きましたが、口頭試験の準備のポイントをご紹介します。

準備のしかた
・先輩技術士に質問してもらう → 気付かなかった弱点が見つかるかも
・筆記試験で選択した問題について、詳しく調べておく
 → 知らなかったことが見つかるかも
・自分の中で「理想の技術者像」をつくっておく → 答えやすくなるかも
・社会の動きに目を配っておく → 時事問題に対応しやすくなるかも
・いろいろな方の口頭試験体験記を読んでおく → 恐怖感が薄れるかも
・自信を持って堂々と臨む → これがないと合格できないかも

よくある失敗事例
”颪ぞ紊って、真っ白になってしまう
沈黙してしまう
声が小さく、聞こえない
せ邯慨韻筏掴世鬚靴討靴泙Α言い負かしてしまう
セ醋笋抜愀犬里覆い海箸鯏えてしまう
Υ岼磴辰燭海箸鯏えてしまう
А屬錣りません」を連発してしまう
┻蚕囘な浅さが露呈してしまう
矛盾が露呈してしまう
ウソやパクリが露呈してしまう
技術者倫理や見識が疑われてしまう
技術士の目的、定義、義務、責務などが答えられない

こんなところに注意して、頑張ってください。
イマジン * 技術士 * 01:40 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

H21技術士筆記試験結果(全部門)

部門別の筆記試験合格率も出してみました。





全体の受験者数も昨年とほぼ同じで、部門別に見ても受験者数に大きな変化はないようです。
全体の合格率は、0.4%上がりました。全受験者の55%を占める建設部門の合格率が0.6%も下がっているのに、全体の合格率がこれだけ上がっているのは意外でした。
ちょっと電卓を叩いてみると、建設部門を除く合格率は24.1%もあるようです。9%の開きは大きすぎるように感じますね。
建設部門の次に受験者数の多い総監部門が合格率を7%も上げているのが、全体合格率を引き上げた大きな要因になっています。
部門毎の合格率を見てみますと、繊維部門は昨年の57.1%から39.1%に下がり、合格率が40%を超える部門はなくなりました。
建設部門では科目別で見ても合格率20%を超えるところが1つもないのに対して、部門別では、電気電子17.6%、衛生工学16.9%、情報工学16.0%の3部門を除いてすべて20%を超えており、30%を超えているところが6部門もあります。
私は、筆記試験の合格率は、部門間を横断的にチェックして合格率の調整が入るだろうと思っていましたので、こういう結果は意外でした。
イマジン * 技術士 * 07:47 * comments(4) * trackbacks(0) * - -
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